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2009/09/01

京成カラー・2&3200形8M車

現在京成の一般車で塗装車体となっているのは3300形と3400形。
3700形ベースの赤と青の帯を配したカラーリングは、2代のスカイライナーや京成バスにも通じる。


ライトグレー登場

1991(平成3)年、ファイアーオレンジから新たな塗色への変更が検討され、3220F4連が3700形に似た試験塗色になって登場した。



ライトグレーベースの試験塗色になった3220F(京成西船・1991.12.23)

グレーに赤と青の帯を配した、現行に近いパターン。赤帯はこれまでのクリーム帯を塗り替えただけで、ステンレス縁はそのまま。正面の帯は赤と青が同じ幅で、赤帯の側面への回り込みはなく、青帯はアンチクライマーに接しているなど、現行との細かい違いが見て取れる。


ホワイト…ライトブルー!?


ホワイトベースの3212F(船橋競馬場・1992.3)


ライトブルーベースの3216F(船橋競馬場・1992.3)

続いて登場したのが白と水色で、白はオバQもしくは逆京急、水色は西鉄風という感じだ。水色は登場時から「いかにも捨て案」という空気。3220Fに施された窓下の青帯はともに省略された。


ライトグリーン!


ライトグリーンベースの3208F(京成幕張本郷・1992.4.2)

さらに驚いたのがこのカエル色だ。もう捨て案中の捨て案。
京成沿線の友人に「また新しい色が出た」と教えられ「緑とか?」と訊いたらビンゴで大笑いした。
カエル色の登場により、3200形の中で8M車と言われる3201〜3220の4連5本のグループはファイアーオレンジのままの3204Fを含めてすべて違う色となった。


ワタシ、キレイ?

この後、最初に登場した3220Fに変化。


口裂けになった3217(京成高砂・1992.3)


海側のみ窓下の青帯を廃止(京成高砂・1992.5.3)

成田寄り先頭車3217のみ赤帯が口裂け女風になり、編成全車の海側のみ窓下の青帯が消された。口裂けになったのは、赤帯を正面から連続させたいものの側面が旧来の幅のため、営団5000・6000・7000系のようにラインを細くしながらつなげる処理をしたわけだ。
この状態になった時点で「青があるほうがよかった」とほとんどの人が思っただろう。

このようにいろいろなパターンを試し、部内や利用者からの意見も集めて検討が続けられたが、水色の3216Fはいち早く落選となりファイアーオレンジに戻されてしまった。


不合格で元に戻った3216F(東中山・1992.5.3)

さらに白の3212Fも落選となり、ライトグレーベースに変更のうえ側面のステンレス縁を撤去して赤帯を太くし、下の青帯も前面を含めて改めて加えられた。前面の赤帯は端がすぼまる「口裂け」をやめて、太いまま回り込ませて一旦切る形に落ち着かせた。


バッマン


ブラックフェイスの3212F(青砥・1993.2.20)

ただ、凹みのない3200形にブラックフェイスを施すというイケてない要素が追加された。
さすがにブラックフェイスは不評(だから、バットマンではなくバッマン)だったようでのちに廃止され、カエル色3208Fが現行の塗色に塗り替えられて登場し完成をみた。


サイケデリックKeisei

試験塗色車は前述のようにすべて8M車という同じグループのため、併結8連も頻繁に見られた。



ファイアー3204F+カエル3208F(鬼越・1992.2.11)


水色3216F+ファイアー3204F(青砥・1992.3)


白3212F+水色3216F(荒川—四ツ木・1992.2.11)


白3212F+カエル3208F(京成高砂・1992.5.3)

白+水色はしばらくの間続けて見られた記憶がある。
青砥での写真のように、晴れた日だと水色の車体もキレイなんだが、やっぱり「顔色が悪い」感じに見えるのだ。


やっぱりライトグレーに決まりました


標準色になった元・白→ブラックフェイスの3212F(みどり台・1995.4)


元開運用VVVF車3294Fとライトが上にある3100形(千葉中央・1995.4)

新塗色は3100〜3300形と初代AE形の機器流用・車体新製の3400形に採用された。
3200形とはライトの位置が違う3100形に限っては赤帯が目立ち、他とは若干違う印象になった。
3100形・3150形の一部はのちに千葉急行にリースされ、赤帯と青帯を入れ換えた塗色が施された(残念ながら写真なし)。

初代3050形に関してはこのグレーの塗装は施されることなく引退。一部の車両は塗色変更が始まった時期に入場したものの、ファイヤーオレンジのままで出場したそうだ。


正味の青電2

初代3050形には千葉急行にリースされ、独特の青地に白帯の塗色を纏った記録もある。


千葉急3050形(大森台・1995.4)

千葉急行色の初代3050形は前任の1000形より帯を太くした。そのため、クリーム帯を囲んでいたステンレス縁は撤去されている。
写真は3070Fで、ちはら台開業時に3074Fに続く2本目のリース車となった。ちなみに、3074Fは先に千葉急行車となっていた1029Fの廃車取り替え用として投入されたものだ。


ライトグレーの従兄弟

京成からは北総鉄道にも各系列がリースされ、3150形→7050形、3200形→7250形、3300形→7260形、3700形→7300形となり、後者2形式は現在も活躍中。ほんのわずかのつなぎで3400形がそのままの状態でリースされた時期もあるそうだ。


北総7050形(松飛台・1995.10.10)

元赤電車は京成グレーベースの基本的に共通の塗色で、赤帯を北総の濃紺帯に置き換えたものになった。
「基本的に」としたのは7061Fのみ正面上段帯の色が下段と同じ薄青だったため。京成の経費節減策だったそうだが、北総から不評でこの編成限りだったようだ。


15ポーズ

最後に赤電3000系列(初代3000形〜3300形)の塗色のパターンを列挙してみよう。
1 青電
2 赤電
3 ファイアーオレンジ
4 ファイアーオレンジ前帯なし(3150・3200・3300形更新車)
5 試験ライトグレー1
6 試験ホワイト
7 試験ライトブルー
8 試験ライトグリーン
9 試験ライトグレー2(口裂け・青帯左右非対称)
10 試験ライトグレー3(ブラックフェイス)
11 現行ライトグレー
12 千葉急行青
13 千葉急行グレー(京成の赤青反転)
14 北総
15 北総ケチ帯

地方鉄道への譲渡などでさまざまな塗色になった大手私鉄の車両はあるが、赤電の場合挙げたものすべてが京成線上を走っているのがすごい。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

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