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2019/12/07

19.12.7 あかくてまるいでんしゃにのる(スマホ)

今回は、当ブログでたまに登場する出かけついでのスマホ撮影短編。

この日は同じくたまに登場する池袋の呼吸器クリニックでの経過観察日。
メトロ東西線と丸ノ内線を大手町のりつぎで行くのだが、これまで丸ノ内線で新系列2000系に乗ることができていなかった。おそらく、ちょっとだけすれ違った程度だ。

それが、今回は狙わずして往路の大手町で当たった。


2000系(大手町)(i)

丸ノ内線ホームは数年前にリノベーションが済み。ホームドアも付いた。
これでホームも車両も雰囲気が変わったことになる。
画面右の柱に少し見えているが、昭和の古い時代からの「(サンケイ前)」という角丸長方形のプレートは引き続き使われている。


2000系(池袋)(i)

編成は2018年製となっている2002F。
2000系の営業運転開始は今年の2月23日だそうだ。



2000系(池袋)(i)

東京地下鉄道として銀座線開業から営団を経て東京メトロに至るまでの史上初の丸窓。
もちろん「丸ノ内」という語感に引っかけている。ホームから見ると残念ながらホームドアにかかってしまう。
そして優先席ステッカーが貼られているため、なんだか窮屈な感じ。
車内はピンク系の壁がやはり300〜900形を意識しているほか、ピンクの床やしずく型のつり手など新しい流れもできている。


2000系(池袋)(i)

外装は300〜900形で用いられた赤い車体と白帯+サインカーブをオマージュ。
白帯+サインカーブはそのままだとホームドアで隠れてしまうので、幕板部に回されている。
銀座線1000系同様、側面行先表示器も当該路線では初めて設けられている。



2000系(池袋)(i)

顔も丸い。なんだかネコっぽくも見える。
10000系で旧形車両のオマージュとして用いられた鍵穴形のライトケースは丸ノ内線の車両で生まれたもの。当然2000系にも用いられている。
なお銀座線1000系は創業時の東京地下鉄道1000形の数字を引き継いでいるが、2000という数字も銀座線の車両で使われたものだ。
当初から丸ノ内線用に造られた昭和の赤い電車は300・400・500・900形とすべて3ケタ形式だった。
今回の丸ノ内線の新系列については、銀座線の01系→1000系という流れに沿って、02系→2000系という付番となった。
メトロで歴史上1番最初に開業したのが銀座線、2番目が丸ノ内線であることからも、銀座線が1・丸ノ内線が2というイメージは合っている。
ただし東京の地下鉄として振られた番号は、1号線が都営浅草線、2号線が日比谷線、3号線が銀座線、4号線が丸ノ内線となっている。


2000系(池袋)(i)

終端部の先は通路になっており、こうして正面アングルも撮れる。
ただiPhoneはズームが利くものの画質は粗くなるので、こんな仕上がりに。

今回は以上でおしまい。
…あ、そういえば東西線もひさびさに茅場町以西に踏み入れたけど、日本橋がいつの間にかホームドアが稼働していて驚いたな。
ふだん通勤で乗っている茅場町以東は茅場町・木場・南砂町で大規模改良工事が進んでいるが、ホームドアは妙典で過去にテストが行われたっきりまったく動きがない状態だ。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

2019/10/21

19.10.21 兵庫へGo!・12/新開地・湊川・新神戸・南船橋

新開地駅で神鉄にのりかえる。

おさらいすると、神戸地区のターミナルがバラバラだった阪神・阪急・山陽・神鉄の4社をつなぐためにできたのが神戸高速鉄道。
標準軌の阪神・阪急・山陽は神戸高速鉄道東西線で線路がつながり、狭軌の神鉄は神戸高速鉄道南北線として湊川駅から400mだけ延伸する形で東西線と接続する新開地駅に乗り入れた。

Wikiによれば、神鉄からの線路については国鉄神戸駅近くに高架線で進み高速神戸駅(神鉄のみ高架)が終点となる計画だったが、国鉄の反発などいろいろあって新開地接続に変更になった。
湊川公園から一方通行で多聞通に達したあと東へ進んで相生町で北へ進路を変える道路があるが、神鉄が当初進む予定だったルートとほぼ被っているそうだ。

体制変更により、現在は東西線が阪神神戸高速線・阪急神戸高速線(高速神戸—新開地間は阪神神戸高速線と重複)、南北線が神鉄神戸高速線と名前を変えている。


(新開地)(i)

東西線と南北線ののりかえコンコースにある立食いそば屋。その名も「高速そば」。
行灯看板は「うどん」が前に来ているのが面白い。
南北線(神鉄)ホームへ向かって下り坂となっている途中にあり、まじまじと見ていると平衡感覚がおかしくなってくる。
店員のオペレーションが高速かは確認していない。


夕方ならではの


1300系(新開地)

神鉄ホームに行くと、黄ばんだ1353Fに再会。


3000系(新開地)

真ん中には3017Fの快速。
ここまでまったく見なかった快速は、新開地18:30・19:00・19:31発の3本のみの設定。
上りは朝に3本。ともに平日のみ運転で、夕方ならではの列車である。
快速は粟生線列車のみで、上りは1本が粟生始発・2本が小野始発、下りはすべて粟生行となっている。
停車駅は湊川・鈴蘭台・鈴蘭台西口・西鈴蘭台・押部谷で、押部谷以西は各駅停車。鈴蘭台までの有馬線内では、長田を通過するのが準急との差。


1300系(新開地)

種別が飛んでしまっているが、準急。標識灯は運転台側のみ白点灯。
有馬線内で粟生線列車も加わり本数が多い区間の丸山・鵯越だけを通過する種別。
ドアからステップが張り出しているが、よく見るとホームと車両の床は高低差が結構あるな。


3000系(新開地)

快速は両側の標識灯が白点灯。


3000系(新開地)

側面も種別幕と方向幕がセパレート式の3017F。
快速列車英字表記は「Rapid Service」や「Rapid」が一般的だが、神鉄ではRAPID EXP.と快速急行風の表記になっている。


5000系(新開地)

5013F。
平日の18時台で、帰宅ラッシュが始まっている。



6000系(新開地)

ミュージアムトレインが到着。戸袋部に額縁がある。
阪急9000系との共通点が多く、木目デコラの濃さも阪急に近づいたが、阪急9000系よりは薄めだそう。
川重製であるが、ドア脇のにぎり棒が日立A-trainに用いられるタイプ。私が普段利用するメトロ東西線でも05系最終ロットや東葉2000系がこのタイプで、実際は筒状になっていないため非常に掴みづらいものだ。
阪急9000系は日立「A-train」ブランドのアルミ車体であるが、この6000系はステンレス車体で、川重の「efACE」ブランドである。

川重efACEはステンレス構体とアルミ構体両方があり、アルミ車についてはA-trainと混同しがちである。
例えば、西武30000系は日立A-trainだが、40000系は川重efACE。メトロ16000系は1・2・5次車が川重efACE、3・4次車が日立A-trainとなっている。
日車ブロック工法の京成3000・3100形が総合車両製作所でも造られているなど、特徴的な形でも意外なメーカーが造っている例はよくある。
A-trainタイプのにぎり棒も、阪急車とのパーツの共用による経費削減などの目的があるのかもしれない。



6000系(新開地)

輪切りバナナ風のてつくんは電車の妖精という設定。
小野高校の美術部の生徒が考案したしんちゃんとてつくんは誕生から10年が経過した。この6000系がモチーフとなっているため、有馬温泉駅で見た1109Fにはいまいちマッチしない。
しんちゃんは着ぐるみがあり、イベント等に登場する。その際てつくんは箱形でキャスター付のフィギュアになっていて、しんちゃんが引っ張って出てくるというシュールなスタイルになる。子どもを乗せることもあるようだ。




6000系(新開地)

しんちゃんは犬の男の子。犬でなきゃいけない理由は特にないが、親しみやすいのは間違いない。
神鉄内で新しめの車両の先頭に乗っているしんちゃんのぬいぐるみは徐々に変化している。
以前は目鼻が大きすぎて原画の画調からは大きくかけ離れていたが、いまのやつはかなり寄った感じになった。
歴代のしんちゃんは鈴蘭台駅のコンコースに展示されているそうだ。見たかったな。


(新開地)

ホーム有馬温泉方の人があまり来ない位置の駅名標。バックライトが点灯していない。
駅管理が阪神に移ってから、阪神仕様のものになっている。


3000系(新開地)

お次は急行。正面の標識灯は準急と同じく運転台側だけ白点灯している。
3000系の標識灯はこの3007Fから凹んだタイプになっている。それまでの3本は逆に出っ張ったタイプであるが、3001・3003Fはすでに廃車となっており、3005Fのみが残っている。

急行は下りは平日7本・土休日3本が朝夕にパラパラと設定されている。下りはすべて三田行。
有馬線内は長田・丸山・鵯越・箕谷・神鉄六甲を通過し、三田線内は各駅停車だ。
上りは平日9本・土休日6本。平日の1本のみ粟生線粟生発。粟生線内では快速に栄・木幡を追加した停車駅設定で、つまるところ木津・藍那の2駅だけ通過する。下りの粟生線急行はない。


3000系(新開地)

3007Fは側面に種別幕がなく、表示幕に種別と行先がまとめて表示される。
快速がRAPID EXP.だった理由は、急行より停車駅が少ないからかもしれない。


3000系(新開地)

ボロボロですねぇ。ドアセンサーはロボロボですねぇ。



6500系(新開地)

6000系の3連版・6500系。岡場行。
6000系に続き用いられたオリーブグリーンのモヘア(アンゴラヤギの毛織物)は阪急車と共通。
A-train風ドア脇握り棒は棒形に戻り、座席ユニットはスタンションポールが付いたりドア横の仕切りが高くなったりと、6000系から変化している。
急勾配区間が多い‰会なのにスタンションポールに関しては6000系までなかったんだから、やっぱり神鉄は不思議だ(1000系より前の車両は知らないが)。

そういえば、近所の山陽・神戸市営地下鉄も最新形式は6000台なのは面白い。
そして私鉄各社には4000台の形式が圧倒的に少ないことにも気づいた。忌み番ということなんだろう。
死ぬほど系列分けが細かい近鉄も、死ぬと捉える4000台は存在しない。いま4000台を用いているのは西武4000系、小田急2代目4000形、名鉄4000系で、あとは阪急の事業用車ぐらいか?
例外としては東横線がらみで、東急5050系の10連口が4000台になってたり、営団日比谷線3000系の4000・4500形という変則パターンがある。


起点

3007Fの急行でとなりの湊川駅に移動した。神鉄有馬線の起点である。
3000系の出発は動画撮影。いつも通りここには載せない。


6500系(湊川)

上り線には6505Fが到着。


(湊川)

当然ながら神鉄フォーマットの八角形駅名標。圧迫感がすごい。
当駅で降りたのは地下鉄湊川公園駅と接続しているため。地下鉄に乗れば新神戸駅まで出られる。
まだ余裕があるので、当駅でも神鉄の車両を記録していく。



3000系(湊川)

3011F。午前中に鈴蘭台駅で後追いで撮った編成。


6500系(湊川)

新開地駅にいた普通岡場行が到着。岡場行は平日に普通3本のみの設定。
岡場駅はニュータウンの藤原台の最寄り駅で、2面4線の立派な高架駅だ。


6500系(湊川)

6505Fが準急押部谷行で戻ってきた。
押部谷(おしべだに)は粟生線の駅で、同駅止まりの列車はやはり平日3本のみ。夕方に集中しており、普通1本・準急2本の運転。

当駅で興味深かったのは、写真のようのGパン・黄ジャン姿のホーム整理員が案内放送を行っていること。
このポジションは鉄道好きの学生なんかに人気がありそうだが、写真の方はどうだろうか?
私の使っているメトロ東西線では、朝の始発待ちで過ごす妙典駅で警備員制服の整理員がマイクで話すのが聞こえる。ただしホームのスピーカーではなく自身が携帯している機械から発せられていて、整理員に近めの人だけに聞こえるものになっている。


6500系(湊川)

6500系3本目。‰会HMの6511F。


1000系+1100系(湊川)

わ、出た! 昼間谷上で寝ていた1076Fじゃないか。いつの間に新開地に?
有馬温泉方に1076号、以降1153-1252-1154と続く1+3連を4両固定化した編成。
私が新開地から当駅に動いた際にすれ違ったんだと思う。



1000系+1100系(湊川)

これが謎めく「真ん中Hゴム窓」車両。調べると、昨年3月にリニューアル工事を終えたんだそうだ。
内装は1076号が淡緑デコラ(ドアは塗装)・1150形編成が白っぽい木目デコラだったが、阪急風の茶色い木目デコラに変更され、床も張り替えられた。
1000系列での濃いめの木目デコラは初めてである。
そして側窓は一部固定化を行い、その外ヅラがHゴム支持となったのだ。
うーん…両側と同じ開口サイズで固定にできなかったのかなぁ。今の時代に白Hゴムというのもアレなんだが、それであってもサイズは一緒にしてほしかった。


3000系(湊川)

夕方の快速第2便。ホームのLED表示もRAPID EXP.になっている。


5000系(湊川)

5009FはヘッドライトがLEDになっている。
準急なので標識灯は運転台側のみ点灯。


1300系(湊川)

1373F。1本のみの1370形編成だ。
1370形は、2ドア1300形2連を4連化するために造られた3ドア中間車・1320形2両ユニットを1997(平成9)年に先頭車化改造したもの。
運転台ユニットは廃車した1050形・1300形から移植している。
3ユニット6両あった1320形はすべて1370形化され、2003(平成15)年から4連化された。
1351-1352のユニットと4連を組んだ1371-1372はすでに編成ごと廃車となっており、この1編成4両が現役1370形のすべてである。


6500系(湊川)

‰会編成はその名の通り、標高が神鉄最高の駅である有馬温泉行として当駅から山登りを開始。
整理員が丁寧に送り出したのであった。誇りを持って仕事をしてるんだろうね。


おしまい

神鉄の湊川駅と神戸市営地下鉄の湊川公園駅は駅名が違うほど離れた駅ではなく、簡単にのりかえられた。
地下鉄では特徴車両には当たらず、何も撮らず新神戸駅に進んだ。

新幹線の新神戸駅構内のおみやげ屋は品数が多すぎて迷うが、時間に余裕を設けていたので慌てずに済んだ。
本日は有休を取っているので職場で配るものも買った。対象人数が40人台のため、安い物を買っても荷物がかさばって困る。

旅行をすると職場で小分けのお菓子を配る風習が根付いて久しいが、皆さん勘違いをしてはいけない。「皆さんが働いている日に有給休暇をいただいたので、お礼と人員を欠いてご迷惑をおかけしたおわびを兼ねておみやげを配ります」というコンセプトである。
休業日のみで旅行をしてきた社員がおみやげを配っている光景を何度か見たことがあるが、それは本当のおみやげである。…いや、別に本当のおみやげを配っちゃいけないわけじゃないが、旅行に行ったら何でもかんでも職場におみやげを…という必要はないのだ。


700系(新神戸)

カーブを描く新神戸駅新幹線ホーム。ホーム柵もあり、撮影は制限される。
ひかりレールスター車両を用いたこだま号広島行。


N700系(新神戸)

下り線には続いてN700系。新神戸駅は営業列車が全列車停車する。
また「のぞみ」停車駅では唯一待避線がない駅でもある。
…と言っても、東海道・山陽新幹線でほかに待避線がない駅は熱海駅だけであるが。


700系(新神戸)

上り線にもひかりレールスター車両が登場。次の新大阪止まりのこだま号。
この車両は東海道新幹線には入らない。



N700系(新神戸)

私の乗る列車はN700系。編成はF17で、F編成はN700Aとして新製されたJR西日本所属車にあたる。
復路も往路と同じくぜいたくしてグリーン車。今回の旅も歩き疲れたので、途中寝落ちした。
東京駅まで進む。

新幹線利用時の定番で、地元へはメトロ東西線ではなく東京駅始発の京葉線ルートを選んだが、武蔵野線直通列車がなく南船橋のりかえに。
南船橋では2分接続で、しかも武蔵野線列車は反対側ホームからの出発。
階段から遠い位置で降りて荷物も多い私は走るわけにもいかず、23:36発の東所沢行には間に合わなかった。

雨が降りしきる中次の列車をひたすら待つ羽目に。
以前は南船橋駅の蘇我方はホーム屋根がなかったが、久々に来たら屋根が付いていて驚いた。それくらい京葉線からは遠ざかってるな。当ブログの過去記事の通り、201系や205系が走ってた頃はよく撮った。


209系500番台(南船橋)

結局23:50発の最終西船橋行に乗車。南船橋始発の西船橋行なので、京葉線内完結の列車だ。

これにて旅は終了。
西船橋駅からはタクシーで自宅へ帰るのも、おみやげを持ったときの定番の帰り方だった。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

19.10.21 兵庫へGo!・11/阪神神戸三宮・新開地

JR神戸線の新快速で西明石から三ノ宮にワープ。速かった。
並ぶ駅同士で比較すると、新快速明石→三ノ宮が15分、直通特急山陽明石→阪神神戸三宮が29分とほぼダブルスコアだ。
停車駅も少なく複々線をシャーっと進む新快速が圧倒的だ。


ちかにちかてつ

17時台。確保している新幹線の新神戸発までまだ3時間ある。外は暗いし人も多く、時間つなぎはやっぱり撮影で。
これまでJR・阪急・地下鉄の各「さんのみや」駅は訪れたことがあるが、阪神の駅には入ったことがないので行ってみることにした。
阪急三宮については20年ほど前の撮り鉄休止時代に訪れたので、写真はない。停まっていた山陽3000系に旧型車から編入の片開きドアの付随車が混じっていて「まだこんなのが走ってるのか」と驚いた記憶がある。
阪神神戸三宮駅は地下にある。西口から通路を進んで行くと、ちか鉄…ではなく近鉄車が目に入った。


近鉄9820系(阪神神戸三宮)

頭端式の中線に停まった奈良行快速急行は9820系9826F・6連。
私がこれまでに撮った近鉄の車両はほとんどが名古屋線で、シリーズ21の車両はこれが初撮影。

阪神本線から分岐する旧伝法線→西大阪線が2009(平成21)年3月に西九条から大阪難波まで延伸し、阪神なんば線となった。
大阪難波では近鉄難波線とつながり、近鉄奈良—三宮間の直通列車の運行も始まった。
三宮まで近鉄車が顔を出すようになったことで、当駅では山陽車と合わせ3社の車両が見られるようになった。
阪神や山陽が19m級3ドアなのに対し近鉄は21m級4ドアと、車両の長さやドアの数が違う。高頻度運転の他社間相互乗り入れとしては珍しい例だ。


近鉄9820系(阪神神戸三宮)

表示器は正面・側面とも幕式の種別とLEDの行先。
快速急行は阪神なんば線系統の種別で、阪神本線内は特急停車駅から御影を除き、時間帯によって武庫川・今津(土休日のみ)を加えた停車パターンとなっている。
御影は「停まらない」というより「停まれない」という表現の方がしっくりくる。ホームのカーブがきつく、車長が阪神車より2mほど長い近鉄車だとホームと車両の間が大きく離れる所が出るためだ。ホーム有効長も近鉄車6両には対応していない。


近鉄9820系(阪神神戸三宮)

シリーズ21はなんとも言えない淡いカラーリング。また黄帯の正面の処理は塗色変更車のような窮屈なもので、新製時のものとは思えない。
この色の電車を指すときに、何色と言えばいいのか?  これは地上のJRの221・223・225系にも言える。
この阪神神戸三宮駅のホームの色合いには溶けすぎなほど溶け込んでいるのが面白い。



1000系(阪神神戸三宮)

派手なラッピングの阪神車が到着。これまた初撮影・阪神なんば線用に用意された1000系。
…なのだが、この列車は直通特急運用。山電内ではこの系列に遭遇できなかったなぁ。
9300系で一旦鋼製に戻った急行用も、この1000系では再びステンレス車体となった。
先輩ステンレス車の9000系は当初赤胴車由来の赤帯だったが、この車両の登場により同系のオレンジ帯に変身した。



1000系(阪神神戸三宮)

はじめは「なだごろう」と勝手に読み替えてしまったが、「灘五郷」だった。
1000系は6連と2連があり、快速急行運用は6・8・10連と編成にバリエーションがある。
ただし尼崎以西の阪神本線内は6連のみで、尼崎駅で増解結が行われる。6連口は9000系も用いられる。


1000系(阪神神戸三宮)

閉扉・ヘッドライト点灯でもう1枚。ラッピングなしのノーマルな姿も撮りたいなぁ。
9300系登場時に始まるオレンジ色は阪神タイガースよりも読売ジャイアンツ寄りのカラーリングのため、株主総会ではオレンジというチョイスに対する質問が出がちだとか。
この1000系はその顔立ちの印象も絡めて巨人のマスコット名に掛けた「ジャビットカー」と呼ばれているそうだ。無論、近鉄6800系の「ラビットカー」の愛称がネタ元である。 


近鉄9820系(阪神神戸三宮)

こちらもヘッドライトが点灯したので、閉扉でもう1枚。
同系車で2連口は9020系となっており、阪神1000系同様尼崎での増解結で最大10連まで運用されている。



5001形(阪神神戸三宮)

朝に続いて、夕方も5001形を拝めた。「5001形」としては2代目の車両である。
初代5001形以来の阪神の普通用車両は「ジェットカー」と呼ばれる。
駅間が短い阪神では、優等列車に道を譲る普通列車はテキパキと走って待避駅ではサッサと待避線に入らなければならない。
加速も減速もパワフルな性能で作られたため「ジェットカー」という愛称が付けられた。
現在のジェットカーは5001形・5500系・5550系・5700系の4タイプ。写真の5001形のように胴回りが紺の「青胴車」は細かく形式が分かれていたが、それに比べれば現在は車種のバリエーションは減った。



山陽6000系(阪神神戸三宮)

4連の6011F。当駅止まりのため「回送」表示。
山陽車は新開地・高速神戸・阪急神戸三宮・阪神神戸三宮と神戸中心地区での折返し駅が多岐に渡る。


山陽5000系(阪神神戸三宮)

続いて山陽車の阪神大阪梅田行直通特急。5018F。
山陽車が阪神なんば線〜近鉄に進むことはないが、阪神車両を使った近鉄エリア〜山電エリアを直通する団体列車は過去走ったことがあるようだ。


近鉄9820系(阪神神戸三宮)

デジャヴのように、次に中線に現れた快急は9827F。さっきの編成の次の番号の編成だ。
阪神三宮駅は以前は海側(この写真で左側)に折返しホームがあり、快急はそこで折り返していた。
しかし新開地方面からの乗客はコンコースへ上がってホームを移らなければならないことや、ホーム有効長が短く阪神車ですら尼崎側の先頭車をドアカットするなど不便だったため、駅の大規模改良工事と併せて2012(平成24)年に現在の中線型に配線変更された。



5500系(阪神神戸三宮)

1995(平成7)年登場の5500系は歴代ジェットカーから脱却し、青を上半身側に変更した。
この車両の登場で、日本の大手私鉄の中で阪神が最後のVVVFインバータ車導入となった。



8000系(阪神神戸三宮)

5500系と雰囲気が似ているが、8000系は1985(昭和60)年新造の第2編成からこのカッコ。その差は10年だ。
界磁チョッパ制御。現在は全車がリニューアル工事済だが、他社で例が多いVVVFインバータ制御への変更は行われていない。



5700系(阪神神戸三宮)

2015(平成27)年登場の5700系は「ジェットシルバー5700」の愛称が付いている。
ドアの周りに青を円形に差すなど、色合いは青胴車の伝統を受け継ぎながらも先進的な装飾がされている。
「ジェットシルバー」は5201形のうちステンレス車体で試作された5201-5202の2両編成に対して使われていた愛称。
5201Fは1959(昭和34)年製。5700系のような色の装飾はなく、コルゲートの並んだ無塗装無装飾車体だった。
阪神のステンレス車が次に登場したのは、37年後、阪神・淡路大震災の影響で急遽川重で造られた9000系。ジェットカーでいえばこの5700系が56年後である。

下り線新開地方に移動。


山陽6000系(阪神神戸三宮)

先ほど反対側で撮った編成の折返し。6111Fは令和デビューの編成。


5001形(阪神神戸三宮)

昭和デビューの青胴車も頻繁に現れる。
こうして眺めていても、淡緑色の内装はここに現れる車両群の中で抜きん出て古くさい。山陽3000系の非リニューアル車も同格か?
5700系が順次駆逐していくこととなっているが、未だ全車両健在。




5500系(阪神神戸三宮)

上り線に真っ青の奴が来たので迎えに。青胴車ならぬ青身車だ。
リノベーションを受けた5500系は阪急車のようなツヤツヤの車体。
顔の下部のカーブラインは5700系に似せている。また表示幕もフルカラー&白色LEDに変更されている。
こうしてなんだかんだで阪神車はカラーバリエーションが増えている。かつては赤胴車と青胴車だけだったのに。




近鉄1026系(阪神神戸三宮)

次の快急は近鉄の昭和ツートン。1026系だ。シリーズ21以外もここまで顔を出すのか。
1026系は…GTOサイリスタVVVFインバータ制御の試作形式1420系の量産版1220系の標準軌全線共通仕様版1230系の4・6連版1020系をボルスタレス台車と何とかとかんとか仕様に変更した系列。
とってもわかりやすいね。


近鉄1026系(阪神神戸三宮)

反対側の顔も撮る。両側のドアを開けているあいだは当然通り抜け可能。
私みたいな外様が来る列車来る列車に尻尾を振って迎えにいく時にはありがたい。


(阪神神戸三宮)

1933(昭和8)年に地下に移った阪神三宮駅。アーチ状の柱と梁は当時の形を残している。
この3番線が以前折返し線だった線路で、ホームは頭端式で両側にあった。


5700系(阪神神戸三宮)

大規模改良工事で美しく整備されたホームは、平成の新車にもマッチする。


8000系(阪神神戸三宮)

8000系はもともと赤胴ツートンだったが、のち9300系と同じ現行色に変身。現在赤胴車は武庫川線だけで細々と活躍している。本来の意味の急行用の赤胴車は消滅している。


5001形(阪神神戸三宮)

5001形のどん尻・5032号。1981(昭和56)年製。
そろそろ場所を移すか。これに乗って終点の高速神戸へ進む。


山陽5000系(新開地)

そして高速神戸始発の山陽5002F4連普通車で新開地へ1駅移動。
クロスシートが空いていたのでつい窓側へ座ってしまったが、その後隣(通路側)に座ってきた男性客も私と同じく新開地ですぐ降りた。


山陽5000・5030系(新開地)

神鉄ホームに向かおうとしたら『Meet Colors! 台湾』号が上りホームに。
運行ダイヤは公表されていたが、私が山電内で撮ってたときはタイミングが合わなかった。
慌てて上りホームへ降りて、後追い撮影。お恥ずかしい限り。(つづく)

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)