こないだの連休に撮った「黒船電車」は伊豆急の2100系。今回はそれにちなんだ車両のなつかし写真を。
リゾート21
現在でこそ眺望重視の観光車両は各地各社に存在するが、伊豆急2100系「リゾート21」はそのはしりの一つといえる。
1986(昭和61)年に最初の編成が登場した2100系は白い車体に山側を青・海側を赤で飾った派手な外観。車内は海側に窓向きの座席、山側に通常の線路向きの座席を設け、相模灘・太平洋の眺望を考慮している。
2100系(伊東・1988)
全部で5編成造られたリゾート21のうち、R-1(第1編成。以下同)・R-2・R-3は正面が2枚窓。運転台後部は階段状の展望席になっている。なお、私は詳しくないので過去の写真においての各編成の見分けがつかない。
リゾート21は特急形っぽいが、普通列車として気軽に乗れる。時刻表にもリゾート21使用列車は明記されている。
2100系特急「リゾート踊り子」(田町・1989)
特急「リゾート踊り子」は1988(昭和63)年から運行が始まった、リゾート21を用いた特急。本家185系よりも立派なHMが目を引く。ロイヤルボックス未登場時の7連。
2100系特急「リゾート踊り子」(有楽町・1989)
新幹線0系と併走する2100系。山側の窓は細切れスタイル。
R-1・R-2は在来の100系の機器を流用していたこともあり、現在すでに姿を消している。R-1は晩年は初代黒船電車として活躍した。入れ替わりに登場した8000系(元東急)もリゾート21の考えを継いだような座席配置となっている。
2100系特急「リゾート踊り子」(横浜・1990)
R-4編成は「リゾート21EX」となり、正面はスッキリした1枚窓となった。グリーン車となるロイヤルボックスを連結した8連。のち前出の3編成もロイヤルボックスが増結された。海側は連続窓。
現在このR-4編成が2代目黒船電車に用いられていて、写真はこないだ船橋で撮った編成の過去の姿ということだ。
2100系特急「リゾート踊り子」(東京・1990)
東京駅旧10番線に入ったR-4。隣の建設中のホームは現在の東北新幹線22・23番線にあたるもので、東海道線用旧12・13番線を潰した位置。写真の旧10番線ものちに潰されて東北新幹線20・21番線に建て替えられている。中央線用新ホーム増設で、写真当時の7・8番線が現在の9・10番線となっている。
2100系特急「リゾート踊り子」(東京・1994.4.17)
R-5はスタイルがちょっと変わって「アルファ・リゾート21」とまた愛称が変わった。伊東方が青、伊豆急下田方が赤の先頭車となっている。現在は鼻の部分にLED表示器が追加されているが、この原形スタイルのほうがスッキリしていていい。
ただ「リゾート踊り子」としてはあの立派なHMが付かない…というより付けることを考慮しなかったのが寂しい。
100系・1000系
伊豆急といえば、独特のカラーリングで知られた100系電車。2ドア・クロスシートで大きな2段窓の優雅な車両だ。1961(昭和36)年の伊豆急線開業時から活躍したが、2002(平成14)年までに全車引退。両運転台車のクモハ103のみ牽引車として生きながらえている。
100系(熱海・1989)
「伊豆高原桜まつり」の華やかなHMを付けた100系。低運転台の原形スタイルのクモハ122。
100系は高運転台車やグリーン車・食堂車など、さまざまな車両が存在した。
1000系(熱海・1989)
1000系は100系の車体更新車で、国鉄急行形グリーン車のような車体とパノラミックウィンドウの顔が特徴。固定ボックスの100系に対し、こちらは転換クロスシートが用いられている。
1000系(伊東・1989)
私が100・1000系を撮ったのはこの日だけ。HMの裏には方向幕が隠れているのだが、それを記録することはないままに終わった。
スーパービュー踊り子
東海道線なつかし写真の記事はいくつも出してきたが、その中で扱い忘れていたのが251系特急「スーパービュー踊り子」。同じ路線を走る列車としてこの記事で扱うことにした。
251系特急「スーパービュー踊り子」(蒲田・1990)
Bクラス特急車の185系主体で運行されてきた伊豆特急「踊り子」に251系が加わったのは写真の1990(平成2)年。651系に続き、10位が「5」の特急形系列となった。
車体色はさわやかすぎるグレーと淡い青のツートン。651系とともに、未来っぽい雰囲気も盛り込まれた感じだ。ダブルデッカー車3両を含む10連。
251系特急「スーパービュー踊り子」(新橋・1990)
車体側面のエンブレムにはSuper View Odorikoの意味の「SVO」の文字があり、そう呼ぶ人も多い。
リゾート21に影響されたか、先頭車運転台後ろは展望席となっているが、当時の雑誌では「展望席のシートピッチはスハ44並み」とその狭さを酷評されていた。
その他セミコンパートメント、グリーン個室、子どもが飛び跳ねて遊べる子供室(10号車1階)などギミックは充実していた。
251系特急「スーパービュー踊り子」(池袋・1990)
251系は登場時から池袋発着の列車にも充当された。
現在は鮮やかな色の車体に生まれ変わっているが、車内もリニューアルされている。
251系は先ほどの展望席も含め、グリーン車のオープンキャビン以外はリクライニングシートが存在しないという、見た目とは裏腹に座席が不評だった。これらを改善し、一般車もリクライニングシート化しシートピッチを拡げた。展望席も4段16席から3段12席に変わった。
(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)
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