本日は休み。8時半にダラっと起きたが、ふと思い立ちヒゲも剃らずに出かけ、こないだ訪れた妙典の東西線車庫に行ってみた。
多くの編成が出払っている平日の朝であれば、その日はE231系800番台の窓越しにしか見えなかった5000系アルミカー90F3連の姿を拝めるかと考えたのだ。
営団アルミカーの始祖
5000系アルミ車(原木中山・1990)
アルミカーの車両数は私鉄一ではないかと思われる東京メトロ(新幹線がアルミだから、JRも含めると違うんだろうが)。東西線5000系59Fの引退以降営業用車両全車がアルミカーとなっている。
メトロの前身である営団地下鉄の最初のアルミカーは東西線用5000系5150編成7連で、1966(昭和41)年製だ。翌年2編成が追造されて7連3本が5000系セミステンレスカー群に混じって活躍を続けた。
5000系アルミ車(西船橋・1993.10.31)
営団・国鉄→JR車ともに7連もしくは10連が混在する時代を経て、東西線は全編成10連となる。この際、21両の5000系アルミカーは10連1本、5 +5連1本に組み替えられた。
残りの1両(5453)はセミステンレスの5008編成の中間に挿入され、ハイブリッド編成ができあがった。屋根のカーブがちがうため5453のみ雨樋位置が高く、材質以外の面でも不揃いだった。
5000系アルミカーの中で最初に廃車になったのがこの5453号で、日本軽金属協会の手に渡ったあとアルミ部分がリサイクルされ、05系24Fのパーツの一部で使用されている。
05系アルミリサイクルカー(中野・2010.1.23)(再掲)
元素記号Alとリサイクルの矢印で構成された24Fのステッカー。最初に用いられたものは退色が早かったが、現在は色持ちのよいものに交換されている。
5453の次の離脱は5+5で10連とした1967(昭和42)年製の10両。そのうち中間車4両が廃車となり、残りは3連2本として千代田線北綾瀬支線に移り、現在もキレイな姿で活躍を続けている。
5000系アルミ車(綾瀬・2009.10.25)(再掲)
5000系アルミ車(中野・1988)
ひとつ上の写真の5952の東西線時代の姿。
そして、最初の1本である5150編成7両+翌年製中間車3両の90Fは東西線5000系アルミカー最後の生き残りとして2007(平成19)年1月まで活躍を続け、最後は東西線5000系全体の中でもセミステンレスの09Fと2本だけという状態だった。
5000系アルミ車(行徳検車区・2007.3.31・mb)(再掲)
90Fは引退後、基本3連を残して行徳検車区の奥で解体され、私は江戸川土手をチャリで走る最中その現場に直面。写真はシールを剥がすように側板をベリベリとめくり取っている瞬間だ。
一方で基本3連は千代田線に移ることもなく教習用として妙典に居座り、今現在までその姿を残しているのだ。
アルミカー天国
05系ワイドドア車(妙典—原木中山)
前回同様東西線江戸川第2橋りょうの上流側にある駐車場に車を置き、車庫を目指す。
07系・05系(深川検車区行徳分室)
07系が2本並ぶ。ペコちゃんの姿はなく、なんだか07系が東西線の主力のような風景。
05系・5000系アルミ車(深川検車区行徳分室)
アントが付いている05系は、ハートMロゴが撤去されているのでこないだの11Fの中間車だろう。そしてその後ろに90Fが見えている。今のカメラでは90Fを撮れていなかったので、手前の線路に車両がいない、期待通りの状態になっていてよかった。…11Fの2両がもうちょっと離れているとなおよかったが。
05系(深川検車区行徳分室)
2両は05611と711。ともに付随車。解体待ちと思われる。
11Fの先頭車と中間1M車(05511)の3両はトレーラーにて搬出されていて、関西のメーカーに行ったとか。これは今後社内で営業用なり非営業用なり、継続使用するための改造目的で間違いないだろう。
5000系アルミ車(深川検車区行徳分室)
一番海側にある5950は土手の工事箇所にかかるため真横には立てず。もちろん顔も撮れなかった。3両とも最近ナンバープレートと側面のハートMが取り外されたそうで、解体が近いのかもしれない。
営団5000系アルミ車・JR103系1200番台(西船橋・1988.10.2)
現役時代の5950編成。JR車とともに7連。(フラッシュ御免)
後発の千代田線本線や有楽町線が先に完全10連化しても、東西線には永らく7連が残り、最終期はJR車のみ7連が存在していた。
5000系アルミ車・05系・07系(深川検車区行徳分室)
東西線カラーのアルミカー系列が集まるこの風景、「アルミカー天国」というところだが、その実、手前の2両には地獄が迫っている。
05系(深川検車区行徳分室)
こちらは工事の柵から覗いてズームで無理矢理撮ったもの。車庫の奥で解体を控えた2両のボディが置かれているが、11F中間車のうち411が解体された画像はすでに見ている。
写真の重機は稼働していなかったが、屋上機器も床下機器もドアも窓ガラスも内装も取り外されたもぬけの殻の05は、まな板の上で包丁を入れられるのを待っているだけの状態(手前の車両は窓ガラスが残っている)。211・311・811・911のうちの2両だろうが、その4両のうちでもすでに事切れている車両もあるかも。
手前のパンタ跡があるのがこないだ見た811で、奥のパンタなしは311か911だ。811と思うのは、Sマーク周りの色加減が似ているから。(つづく)
(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)
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