午前中の2つの用事で車で出かけた流れで、わが市内の北東の端の駅・北総鉄道大町駅に赴いた。
北総線は来る7月の成田スカイアクセス開業を控え、3代目スカイライナーや2代目3050形(厳密には2代目3000形7次車)などの試運転が行われている。
現在の終点・印旛日本医大まで行きつつ、何かしら試運転列車にも遇えたらいいな、という考えで下り列車を待った。
大町駅はスカイアクセス列車が最高130kmで走る区間にあり、信号機は玉の数が多い特殊なものになっている。
列車を待っている間も上り線に「青と黄が同時に点滅」なんて表示がされていた。2色の点と滅は同じタイミングだった。早速試運転列車が来るのかと期待したが、そもそも次列車予告は羽田空港行になっていて、その通り何も来ないまま青1灯に替わった。
乗り編
やって来た下り列車はガラガラの京急新1000形。車端ボックスシートに座り、大町を出ると見えてくる新京成のくぬぎ山車両基地を見渡す。
8連2本のみの800形は平日朝ラッシュ時が主な働き場で、ほかの時間帯や休日は基本的に動かない(平日に動いたときの記事はこちら)。きょうも日曜ということで2本とも寝ていた。
次の新鎌ヶ谷ではそこそこの数の客が待っていた。ニュータウンから出てきて東武野田線で船橋や柏、新京成で松戸や新津田沼へ出る人が多いのだろう。ちなみに3路線の中では野田線の駅がいちばん乗降客数が多いようだ。
かつて運転されていた4連の新鎌ヶ谷—千葉ニュータウン中央の区間列車なんかがあるといいんだろうが。現在はその列車が削られたままの日中20分ヘッドというローカルダイヤ。スカイアクセス開業後のダイヤはどうなるのか。
新鎌ヶ谷を出てトンネルをくぐると大きな掘割状のニュータウン区間に入る。線路両脇は大きく空いていて、その外側に国道464号線(北千葉道路)が上下線に分かれて通っている。間の空間は北千葉道路の専用部(高速道路)用だったり、幻となった成田新幹線用に確保されたものだ。
車窓風景は左右が開けつつも線路が低い所を走っているため遠くを見渡せず、単調だ。
小室は東松戸や新鎌ヶ谷と同じく計画2面4線のうち片側の島式ホームだけを造った1面2線で運営してきたが、昨年片面ホームの新1番線を追加し2面3線になった。これはスカイアクセス列車が高速で通過できるようにする「線形改良」のためだそうだ。
ほぼ直線の旧上り1番線が下り本線(2番線)に、前後に曲線のある旧下り2番線が下り待避線(3番線)になった。しかしスカイアクセス開業後もこの駅で待避を行う予定はなく、3番線は非常用との位置づけになったそうだ。
ニュータウン区間の駅はすべて島式ホームだったが、この小室の片面ホームを目にすると別の路線に来たような違和感がある。
小室から終点の印旛日本医大までは千葉ニュータウン鉄道。この千葉ニュータウン鉄道区間はそもそもは千葉県営北千葉線用の免許が譲渡されたものだそうだ。
県営北千葉線は都営新宿線の延伸線で、本八幡から新鎌ヶ谷へつなぎ、さらにニュータウンを通って成田方面に伸ばす計画だった。のちに第三セクターによる本八幡—新鎌ヶ谷間の路線に計画変更されたものの、結局事業は廃止となった。
もし実現していれば、都営鉄道と県営鉄道が相互乗り入れし、さらには千葉ニュータウンと多摩ニュータウンが1本につながる(その意義は薄いが)という壮大な話になっていたわけだ。
千葉ニュータウン中央で結構な数の降車。またガラガラとなって終点を目指す。
真南に進むと京成本線ユーカリが丘や総武本線四街道の位置だが、車窓は殺風景。クロスシートから優雅に眺めているせいもあって、新幹線で都心から数駅のところを走っているような雰囲気だ。
印西牧の原を出ると複々線になるが、中央2線は車両基地への引き込み線。立派な高架で上り線を越え、本線南側の掘割の上に続く。基地の架線柱や上屋は見えるが、車両は見えなかった。
終点印旛日本医大に到着。試運転車両は見当たらず。
日中20分ヘッド=1時間に3本の北総線だが、そのうち1本はあとひと駅を残して隣の印西牧の原で折り返してしまう。この駅ではこんどの13時44分発を見送ると、次は40分後の14時24分発となる。
いつ来るのか、そもそも走っているのかすらわからない試運転列車を待っても仕方ないので、戻ることにした。
撮り編
京急新1000形(印旛日本医大)
折り返しは当然乗ってきた列車。成田空港が断然近いが、列車は羽田空港行。北総・京成・都営浅草線・京急空港線内は各駅停車で、通過するのは京急本線内の急行通過駅6駅だけ。
新鎌ヶ谷で下り、ジャスコ内の安いファミレスで昼メシ。
途中新京成の踏切を渡った。頭上の高架はできあがっているが架線柱はまだなく、現在は非電化複線の高架という感じだ。新鎌ヶ谷駅周辺はまだまだ空間が多いのだが、在来線の急カーブをきっちりなぞっている高架は何だか歯がゆい。
都営5300形(新鎌ヶ谷)
メシから戻る。次の次の上り列車に乗るまで撮ることにした。…先頭はごっつい逆光ね。
7300形(新鎌ヶ谷)
京成3700形リースの7808Fがやって来た。他の自社発注の7300形2本とはちがい、スカートが付いているのが特徴。車番も7800台になっている。
印旛日本医大から来る途中に2本続けて7300形とすれ違ったのは憶えているが、そのどっちなのかはわからない。
上りホームへ移ると、外側ホーム1番線の次列車は「当駅止り」の表示。他の鉄道会社でも、この表現のときは送りがなに“ま”は入れないことが多い。
現在新鎌ヶ谷は上り終電の終着駅となっていて、滞泊後下り初電として始発するようだ。
駅にいる時点でそのことは把握していなかったし、そもそも1番線は使われていないはず。成田空港方から試運転列車が来て折り返す? とも考えたが、時刻表示もなくいつ来るかもわからないので、決めたとおり次の上りに乗ることにした。
都営5300形(新鎌ヶ谷)
この駅の日中は下りが来て数分後に上りが来る。下り2本目はまた5300。1本目と違ってスカートが大きい後期車だ。
7300形(新鎌ヶ谷)
そして上りもまた7300形。すれ違った2本目のほうの列車か。
バラエティ豊かな北総を走る列車たちの中、下りは5300形2本、上りは7300形2本、ともにスカートの大小や有無の差があったのが救いか。
20分ヘッドの路線だけに、同じ車種が来ると待った分のガッカリ感も大きい。(つづく)
(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)
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