この日は当ブログでちょこちょこ話題で出てくる、池袋のクリニックへの通院日。
午前中に通院を済ませ、昼食を摂ってから向かったのは東武でも東上線ではなく亀戸(かめいど)線。
撮り鉄から遠ざかっていた時期に乗ったことがあるようなないような…という程度なのが私にとっての東武亀戸線。
住処から遠くもない所であるが、まぁ縁がなかった。
東武亀戸線はJR総武線の亀戸駅から東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の曳舟(ひきふね)駅までを結ぶ、延長3.4km・全線複線にほど近い、都会のミニ路線。
全線複線にほど近い…というのは、終点の曳舟駅寸前から線路は単線になっており、曳舟駅もスカイツリーラインの2面4線ののりばの脇にちょこっと設けられた単線単式ホームなのだ。
現在は大師線とともに東京都内で定期列車で8000系が見られる貴重な路線となっている。列車はすべて2両編成。
いつか撮りに行こうと思うこともあったが、2両編成で構図に困る点が若干足を遠ざけていたのかもしれない。
都会の盲腸線
総武線亀戸駅の改札を出て右奥へ進むと、東武の行止り式のホームが待っている。
先月和田岬線・羽衣線と盲腸線を訪れてきたが、ここもまた短距離で線路が途切れる路線だ。
8000系(亀戸)
総武線の築堤脇の地平ホーム1番線には、曳舟行8568F。
8000系(亀戸)
列車はほどなく出て行った。表記のとおりワンマン運転で、車両は対応機器が搭載されている。
8000系(亀戸)
2番線には8570F。8000系2連は1M1T編成。
8000系(亀戸)
曳舟方はホーム端ギリギリ。この編成は留置車だが通電していて、なんだか電気代がもったいなく感じる。
(亀戸)
JR総武線を見上げる。手前は快速線でホームがない。
JRは写真左奥から越中島貨物線が分かれているが、こちらの亀戸線も当初は越中島まで延ばす目論見だったそう。
8000系(亀戸)
さて、今回の主役・8577Fが登場。この車両が現れたため亀戸線を訪れたのだ。
先週・3月23日から走っている、インターナショナルオレンジ+ミディアムイエローの復刻塗装車だ。
1958(昭和33)年に登場した7800系モハ7860形+クハ860形で用いられた、昭和30年代中後期の20m4ドア車の標準色だが、昭和50年代からの京成のファイアーオレンジ塗装に通じるものがあるなぁ。
8000系(亀戸)
7860形編成には試験塗装として4パターンが施され、これはその中から選ばれた塗り方だ。
この派手な感じは、シル・ヘッダー付の同形式よりツルツルした8000系のほうが似合っている。
東武では8000系を中心にリバイバルカラー編成が増えていて、8111F(オレンジ・ベージュツートン。東武博物館所有)、81111F(セイジクリーム)、81107F(8111Fと同じツートン)、8198F・51092F(フライング東上。紺に黄帯)が登場している。
8000系(亀戸)
ツートンの8111Fとは違う、カナ→社紋→数字の表記。
8000系(亀戸)
この編成は同じワンマン対応2連を使う大師線の運用に就くこともあるとされているが、この日走っていてよかった。
折返し時間は短く、あっという間に出発時刻となる。この列車に乗り込んだ。
ダブトン
先頭かぶりつきで進む。
沿線撮りできそうな場所を探しつつ亀戸水神駅を過ぎ、2つ目は東あずま駅。
“東東”や“あずまあずま”っぽいが、吾嬬(あづま)の東側の意味で「ひがしあずま」だ。
かなを使い、さらには“づ”ではなく“ず”を用いた理由は今では不明なんだとか。
なお、近場の都営浅草線の駅は「本所吾妻橋(ほんじょあづまばし)」で、ツマの字が違う。
ホームの先の線路脇に桜の木が並んでいるのが見えたので、思わず降りた。
8000系(東あずま)
反対側には8568F。塗装ボロボロの幕板が気になった。
どうやらこの駅で上下列車がすれ違うようだ。終日このパターンなら単線で足りるが、通勤時間帯はそうはいかないんだろう。
8000系(東あずま)
曳舟方は貫通幌が付いている。
(東あずま)
亀戸行2番ホームから。駅の先が公園になっており、桜がたくさん咲いている。
(東あずま)
あ、2枚目は桜じゃないや…。
8000系(東あずま)
曳舟から戻ってきた8577F。ホームからだとこんな絡め方になっちゃう。
8000系(東あずま)
8577Fとすれ違って出て行った8568F。
8000系(東あずま)
この配色に対し、ブラックフェイス部分はとてもいいアクセントとなっている。
改札を出て、別アングルで桜コラボを狙う。
8000系(東あずま—小村井)
早くも踏切が鳴いたと思ったら、亀戸で2番線に停まっていた8570Fの回送だった。
白昼堂々スカイツリーラインを2両で回送される列車があることは知っていたので、おそらくこれがそうなんだろう。
亀戸でパンタが上がっていた理由がはっきりした。
8000系(東あずま—小村井)
曇っているせいで、桜も白く映りがち。
…いや、むしろ昨今の白くなった桜に赤みがあることを表現した形なのか?
8000系(東あずま—小村井)
赤みのある電車登場。
8000系(東あずま—小村井)
いっぽう、顔面蒼白・お肌ボロボロの…いや、そもそも青と白だがお肌ボロボロでホロ付の電車登場。
8000系(東あずま—小村井)
帯の太さは標準色のほうが太いのがわかる。
8000系(東あずま—小村井)
東武炎電の桜バック、なんとか撮れました。
東あずま駅から曳舟方面へカーブを進んで最初の踏切の少し先に立ち、東武炎電のアウトカーブ姿を撮ることにする。
8000系(東あずま—小村井)
短距離クイックターンピストンなのでとっとと戻ってくる。2両のカーブは撮り方に困るな。
8000系(東あずま—小村井)
ダブトン駅ですれ違いのボロ付8568Fを桜バックで迎える。
そのまま小村井駅へ向かって歩く。
踏切からほどないところで線路脇の道の幅が広くなっており、線路の向こうにはスカイツリー。
線路からの遠い側の道路端に立てば列車とコラボで撮れる。しばし列車を待つ。
8000系(東あずま—小村井)
まずは8568F。天気が悪いな。そして下に余裕がない撮り方になってしまった。
続く東武炎電の曳舟行は、何とあまり通らない自動車が車両にガッツリ被る形で前を横切り大失敗に終わった。
8000系(東あずま—小村井)
8分後、東武炎電がさっさと戻ってきた。く、暗い。
8000系(東あずま—小村井)
ボロ電もカーブアングルで迎えてから、先に進んだ。
ダブヒキ
ダブトン駅からのカーブが終わり、明治通りを渡った先が小村井(おむらい)駅。
ベタな想像でどうしてもオムライスが浮かんできてしまうが、実際『小村井飯(オムライス)』という名でオムライスを出している店があるようだ。
何だか不安定な感じの上りホームの舞台裏を見ながら、駅曳舟寄りの踏切に出ると、また桜の木。
上り列車のバックに桜が入るアングルに挑戦。
8000系(小村井)
バックに黒い養生シートを被った建物があり、桜と車両が引き立つ。
しかし、上の写真にただならぬ違和感を感じたのは私だけではないだろう。
8000系(小村井)
踏切からすぐの小村井駅に停車中の亀戸行。そう、これは上り亀戸行列車なのだ。
正直、リアルタイムではまったく気づかなかったが、行先表示の替え忘れである。
8000系(小村井)
「曳舟行」が出て行った方向から正味の曳舟行到着。炎電のストレートアングル初記録。
そのまま踏切でこの列車の戻りを待つ。
8000系(小村井)
インパクトが強い色だね。全部がこの色だとイヤになるが、適度に現れるのだったらいいかも。
8000系(小村井)
近代的なマンションの前を昭和の塗装電車が2両で横切る。
さらに先へ歩く。
小村井の次は終点の曳舟駅となるが、そちらへは向かわず、過去数度訪れているスカイツリーラインの踏切を目指す。
線路沿いに続いていた道は古い住宅街に向かって曲がり、民家の軒下のような路地を抜けたりしながら十間橋(じっけんばし)通りに出た。
8000系(小村井—曳舟)
十間橋通りの踏切。前後に踏切が短いスパンで連続する区間だ。
8000系(小村井—曳舟)
ここでも桜コラボ。
背後の古いコンクリートの建物は旧曳舟中学校で、1999(平成11)に廃校。
第17回日本アカデミー賞最優秀作品となった映画『学校』のロケで使われたりしたそうだ。
8000系(小村井—曳舟)
スカイツリーコラボ再び。
これにて亀戸線撮影は終了。住宅街をグニャグニャ進み、スカイツリーラインの踏切に移動した。(つづく)
(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)
1 件のコメント:
こんばんは。
亀戸線のお写真、楽しく拝見しました。
復刻塗装の車両は、私は知らずにこの路線に撮影に行き、現れた姿の派手さに驚いてシャッターを切れませんでした。予備知識なく初見ですと、本当にびっくりします。
ちょこまかと2両編成の行き来する亀戸線、雰囲気が好きでたまに訪ねます。沿線に下町風情がもっと色濃く残っていた時代に訪ねてみたかったとも思いながら、沿線の路地に入り込んで、散歩しながら列車を眺めたりしています。
桜をからめたお写真、素敵ですね。
季節感を楽しみに、また出かけたくなりました。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
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