今年は10月22日(火)が即位礼正殿の儀のため祝日となった。
すっかり頭から抜けていたこの祝日を利用して、どこかへ旅行に行こうと9月末に決めた。
このところ旅先で、昨年7月の高松、9月の新潟・長野、今年7月の高松と、ホテル『ドーミーイン』を選んでいる。どれも天然温泉に入れる大浴場が最上階にあるのだ。高松は昨年と今年とで別のドーミー。
昨年9月の新潟・長野の続きで訪れた上田に関してはドーミーがなかったので他のホテルにしたが、1階に大浴場があってそれはそれでよかったな。
今回は、ドーミーがある場所で行きたくなる土地を探してみた。
鉄道絡みにはこだわらなかったが、ピンときたのが兵庫県の姫路だった。
兵庫といえば、今年山陽電鉄3000系にリバイバル塗装編成が登場した。さらには、神戸電鉄でも昨年2本のリバイバル塗装編成が出ている。
この2社の車両については関西の103系をテーマに出かけた3年半前に「夕メシのついで」で地下区間や夜の駅で撮ったのだが、もっときちんと乗ったり撮ったりしたいなぁと思っていた。
そんなわけで、19日(土)から休暇を取った21日(月)まで2泊3日の兵庫遠征を決行。22日はお疲れ休みに充てた。
19日は山電を軸にした姫路のドーミー、20日は神鉄向けで新開地の宿にした。神戸にはドーミーがないんだよな。…それどころか、兵庫県のドーミーは姫路のみだった。
姫路と言えば当然姫路城があるし、手柄山や太陽公園にも行きたい。神戸も鋼索鉄道やカーレーターなど面白いのりものがたくさんあり、行きたいところはすぐにたくさん挙がった。
新幹線
今回は東京駅620発の東海道・山陽新幹線「のぞみ153号」広島行でスタート。新神戸へ向かう。
自宅から大雨のなか折畳み傘で原木中山駅まで歩き、東西線で大手町まで出た。
雨でなければ通勤定期券の西限の茅場町から歩いたのだが、今回は茅場町—大手町間の運賃も追加しておとなしく進んだ。早起きで眠いのもあった。
N700系(東京)
東京駅に入りホームに上がると、停車していたひかり501号の赤い表示が目に入った。
上位の「のぞみ」は黄色、下位の「こだま」は青の表示だが、赤が一番偉く見えるよなぁ。
開業当初から速達タイプとして君臨した「ひかり」はいまは中位で存在感が薄い。
N700系(東京)
N700系オンリーの時代も近づいてきた。
N700系(東京)
新大阪方先端まで進み、私の乗る列車をロングズームで迎える。
雨に濡れない位置から撮っているので、障害物が入ってしまう。
N700系(東京)
乗り込むのはX57編成。
(東京—品川)
コンビニで買ったおにぎりを頬張りながら、品川駅に近づく。雨は止まない。
(新富士—静岡)
富士川。山裾の低いところに雲がかかる風景は京都のあたりまであちこちで見られた。
東海道新幹線は毎度富士山側の窓際を指定するが、夏でガスってたり、天気が悪かったり。今回も富士山はお休みだった。
N700系(新神戸)
相変わらずグリーン車。
金はないが、たまの旅行はグリーン車チョイス…というのが私の定番になってきた。
地下鉄
新神戸ではさっさと神戸市営地下鉄山手線にのりかえ。
山陽3000系の復刻塗装編成の撮影ができそうなのだが、予定通りにのりかえができないとパーになるのだ。
2000形(新神戸)
3年前に神戸市営地下鉄を撮った際に唯一撮れなかった車両が2000形。
4編成しかなく、出会う確率は低い方だ。なんと柱の向こうに現れたが…顔は撮れず。
北神急行7000系(新神戸)
私の乗る列車は北神車。2016年9月の前回訪問時は撮影したたものの乗車は今回が初めて。
編成はトップナンバー。いままで知らなかったが、VVVF制御装置がGTO素子からフルSiC-MOSFET素子に変更された際に正式名は「7000-A系」に変わっているそうだ。
なお機器更新は2016年1月なので、私が前回撮った際(実は前回も初遭遇がこの7051F)はすでに7000-Aになっていたわけだ。
北神急行7000系(新長田)
阪急系だけあって、木目調デコラとゴールデンオリーブのシートモケット。
このノリは神鉄・北大阪急行でも見られる。地元・JR和田岬線の脇にある川重出身。
北神急行7000系(板宿)
こちらも壁が木目調の板宿で山電にのりかえ。
なぜ木目調なんだって? 板宿だからさ。マジで。
追いつけ追い越せ
お目当ての山陽3000系リバイバルカラー編成・3030Fは事前に運行表が公表されてきた。
ただし宿や新幹線を確保した時点では10月16日分までしか出ていなかった。神鉄のリバイバルカラー編成の運行表の公表は行われておらず、今回の初日姫路泊・中日神戸泊は賭けでもあった。
16日を過ぎても山陽3030Fの新たなダイヤが出ずやきもきしていたが、旅の直前に続きの運行表がようやく発表された。
それによれば、この19日は午前中で東二見に入庫してしまうという悲しいもの。
新幹線からミスなく地下鉄に乗り継いで板宿に来た時点で、3030Fは姫路へ向かう普通車(山電で言うところの普通列車)として先をちょこちょこと進んでいることがわかった。
(板宿)
前回訪問時に斜め角度から撮った6000系ローソン。
ポンタが運転席にいるのを3年越しで確認できた。ポンタの向かって右下に制帽が見えるが、撮影に使っていいようだ。
(板宿)
「ど」が傾いている山電の板宿駅は1995(平成7)年1月17日の阪神・淡路大震災の前から地下化工事が進められていた。
竣工前に地震が発生。地上の西代・板宿の両駅はそれ以来復旧されることなく、地下化工事を前倒しで進めることで路線の復旧が行われた。
下り方面は同年3月24日に東須磨まで、上り方面は6月18日に高速長田まで運転が再開された。
なお当駅で先に地下に通ったのは神戸市営地下鉄だが、山電の線路のほうが浅いところを通っている。
同様に災害復旧ついでで利便性改善工事を前倒しで行った例として、近鉄名古屋線における1959(昭和34)年9月の伊勢湾台風被災後の改軌工事(名阪直通列車の運行のため、狭軌の名古屋線を大阪線と同じ標準軌に変更)がある。当初は翌年春の実施予定だったそうだ。
阪神8000系(板宿)
直通特急で目指すは大塩駅。
乗車時間が長いためクロスシート車を期待したものの、ロングシートの阪神8000系だった。
直通特急は阪神梅田—山陽姫路間を結ぶエース列車。
(須磨浦公園—塩屋)
東須磨の手前から地上区間。須磨浦公園を過ぎると、私は初めて踏み入れる区間となる。
須磨浦公園—塩屋の1駅間は山と海のあいだの狭隘地をJR神戸線(山陽本線)の複々線、国道2号の4車線、そして山電の複線が埋め尽くす。
阪神8000系車内・五色塚古墳(山陽垂水—霞ヶ丘)
霞ヶ丘駅の手前で山側車窓に五色塚古墳が現れる。
この旅では現地に行ってみるつもりだが、どのタイミングになるかは決めていない。
明石海峡大橋(霞ヶ丘—舞子公園)
世界一の吊り橋・明石海峡大橋。1998(平成10)年4月開通。奥に見えるのは淡路島だ。
2本の主塔間の距離は基礎部分同士と先っぽ同士で差があり、先っぽ同士のほうが開いている。
理由は「地球が丸いから」。垂直に立てていても、巨大すぎてそんな数値が出るんだそうだ。
舞子公園駅はこの明石海峡大橋を通る高速バスへの乗り継ぎ駅として橋の開通前よりポジションを上げた。
直通特急はグングン進んで、東二見駅に到着。
いましたいました。昭和色の電車が…
3000系(東二見)
追いついたよ、3030Fさんよ。ここで追いつくの知ってたけど。
旅の序盤でお目当てに会えたのは幸先がいいが、ここへ来てまた新幹線以来の雨が降ってるんだよなぁ…。
これに乗ってしまっては効率的な沿線撮りができないので、すぐに直通特急に戻る。
阪神8000系車内(大塩)
2面4線の大塩駅に到着。白浜の宮駅で下りるため、向かいの普通車にのりかえ。
構内踏切がある関係で上り6連列車の最後尾車両のドアがカットされるため、その旨の表示が阪神車にもなされている。
阪神沿線住民は「オーシオってどこやねん?」って思ってるんじゃないか?
なお駅改良工事を進めることが3月に発表されたそうで、今後橋上駅舎化・バリアフリー化・ホーム延伸が実施されるとのこと。ドアカットや写真のステッカーもそれまでとなる。
阪神8000系・3050系(大塩)
当駅は上下線とも山側のりばが4両までの対応となっており、私の乗った直通特急6連は1番線、接続する普通車4連が2番線、梅田行直通特急6連が3番線(顔が見えている8250号がドアカット。2枚目は発車直後)、それに接続する普通車4連が4番線に停まっている。
駅舎は1番線外側地平にあり、1・2番線と3番線の神戸寄り端っこを構内踏切が跨いでいる。すべて4両対応ホームだったが、1991(平成3)年の6連運転開始を受けて構内踏切が跨がない4番線は神戸寄りへ延ばして6両に対応。上り2線はそれができないため、ホーム2番線側を姫路方の1・2番線分岐点直前まで1両分延ばすのが精一杯だった。
(後年追記)2021(令和3)年12月に橋上駅舎化、2022(令和4)年3月に上りホーム延伸が完了し4線とも6両対応化。下り直通特急は2番線を通るようになり、優等列車が内側線を通る一般的な2面4線の緩急接続駅となった。
阪神8000系(大塩)
直通特急を後追い。ケーブルが邪魔。
3050系(大塩)
2本はともに3050系の編成。電動車は下2ケタ50以降、制御車・付随車は下2ケタ30以降に付番されている。
姫路方先頭車が3634号の3058Fは鋼製、姫路方先頭車が3643号の3076Fはアルミ製となっている。
3076Fと3078Fは3050系の最終ロットで3連で新製されたもの。正面貫通扉と乗務員室扉がアルミ製(ほかの3050系アルミ車は同箇所がステンレス製)になっている。
ちなみに3058Fは前回訪問時の最後に山陽須磨→大開で乗った編成。7月の香川に続き、また腐れ縁編成ができた。
3050系編成(大塩)
3076Fの4連化で挿入された付随車は3500号。3000系1号編成・3000Fの付随車として用意された車両だが、同編成が3連に戻った際にこちらに移った。
3000系は最初の2本がアルミ製だったものの、製造コストが高いため以降は鋼製となった。3000系の新製冷房車である3050系も引き続き鋼製で登場。4次車以降は技術の進歩でコストも下がり、再びアルミ製となった。
3500号は1968(昭和43)年製。編成のほか3両は1985(昭和60)年製と世代差がある。同じアルミ車でも側窓の割り方・裾帯の有無・汚れ具合でその差はよくわかる。
本来の相手と組んでいた際の3500号は裾帯も窓下と同じ赤となっていたが、この編成に入った際は編成美を保つため銀色に変更されている。3500号は3050系鋼製車編成に挿入されたこともあり、その際は全面塗装だったそうだ。
同じ境遇の3501号(3078Fに挿入)とともに、山電の現役車両では最古となっている。
なお前回訪問時に遭遇・乗車もした3000F3連は一昨年引退し、3000号だけが東二見の車庫に保存されている。
3050系(大塩)
リニューアル工事を受けた3058F・3634号車内。めっちゃ無難な内装。
3050系
3000系列は運転台背後のみ客室に出っ張っており、側面の窓割りも運転士側と助士側で異なっている。
避難はしごが鎮座する風景は不思議な感じ。(つづく)
(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントは管理人が通知メールを確認後掲載可否の判断をします。
表示まで日数がかかったり、非掲載となる場合があります。
管理人はコメントへの返信必須のスタンスではありませんが、掲載した場合は「コメントありがとうございます」の意味がこもっていますので、予めご了承下さい。