2015/10/24

15.10.19 里山のDC天国・1

竹岡でラーメンを喰らったあとは、上総湊から国道465号に入って房総半島の内陸をグニャグニャと進む。
途中で国道410号に移り、久留里線の沿線に出た。
道路は再び国道465号に切り替わり、亀山湖手前で国道を外れて久留里線の終点・上総亀山駅に寄る。

トイレ休憩も兼ねて寄ったのだが、真っ昼間の列車が来ない時間帯で車両も人もまったくいない。
記念に乗車証明書を発行して車に戻る。何も撮らなかったな。
ひとつ気づいたのは、島式ホームのうち駅舎側に柵が立てられていたこと。4年半前に訪れたときにはなかったものだった。
要は、島式ホームだが片面しか乗り降りできない状態に変わっていたのだ。調べると、訪れた翌年にこの状態に変わったようだ。


片方が来ない連絡駅

亀山湖に戻ってまた国道465号を進んで行く。国道といえど400番台は「酷道」と揶揄される道も多い。
この465号や410号はセンターラインが消えるならまだしも、車1台分の幅しかない部分があったり、同じような幅の手掘りトンネルなどがある、なかなかのコースだ。「酷道」としてはまだまだ浅いレベルではあるが。
反対に、つい最近開通した立派な対向2車線トンネルなどもあった。

そんなこんなで進むうち、小湊鐵道の踏切に出る。踏切から右を見ると、竹をパッカ〜ンしたデザインの建物が見えた。
踏切の先で右折すると昭和の町並みが出てきて、上総中野駅がある。竹パッカ〜ンは駅前にあるトイレだ。


(上総中野)

2年ぶりの訪問。待合室には小湊鐵道の列車が今はここまで来ていないことを示す貼り紙。
9月10日の大雨…とは、あの関東鉄道や東武鉄道が大きな被害を受けたときのものだ。両者とも復旧しているが、ここ千葉には未だ復旧していない区間があることは意外に知られていない。


(上総中野)

小湊鐵道のレール踏面は当然サビが出てしまっている。
左はいすみ鉄道のホームで、レールは左側にある。
いすみの列車もしばらくは来ないようなので、この駅も列車を見ずに後にした。

この記事をアップした10月24日(土)より月崎—上総中野間の運行が再開されたとのこと。
現行ダイヤではこの上総中野に来る列車は平日6往復、休日7往復と少なめ(ひとつ隣の養老渓谷返しの列車は平日7往復・休日3往復)であるが、錆びたレールがまた輝くのは嬉しいことだ。
また、SL風のDLと新製トロッコで編成を組んだ観光列車「里山トロッコ」を上総牛久—養老渓谷間で11月から走らせる予定だ。
SL風DLはボルボ製のクリーンディーゼルエンジン搭載、養老渓谷方に付く。転車台設備はないため機回しはせず、上り列車は五井方先頭の運転台付トロッコ…クハで制御し、逆向き走行となる。


キハの昼寝

いすみ鉄道西畑駅の先で左に進む道へ出て国道をショートカット、大多喜の街に入った。
もちろん、い鉄の大多喜駅は覗いて行く。


いすみ350型(大多喜)

駅には大原行列車が停車中だった。上総中野を私が着く前に出た列車に追いついたわけだ。
ロングシート・トイレなしでレトロボディのいすみ350型。


いすみ350型(大多喜)

このカットは2年前に訪れたときと同じような光景。ただし車両は前回がいすみ351、今回がいすみ352という違いがある。


いすみ350型(大多喜・2013.7.21)(再掲)

2年前に撮ったいすみ351。こうして見ると、いすみ352とはヘッドライトの造形・テールライト上の標識掛けの塗装の違いが見える。


いすみ300型(大多喜)

留置車両に目を移す。
いすみ300型は新潟トランシス製の地方第三セクター向け車両の標準的なルックス。クロスシート・トイレ付の車両だ。
いすみ350型はこの車両を基本に車体をキハ20系風に変えたものである。



いすみ300型(大多喜)

車両はいすみ302。トイレ部分の窓がないところにはムーミンのキャラクターが集合したカットが貼られている。
…ニョロニョロってあんな小さいのか。



キハ20(大多喜)

いすみ302の後ろにいたのが、ピカピカのキハ20 1303。
いすみ350型に続いて製作されたレトロ車体の新製DCで、先月24日から営業運転に就いた。この車両にも会いたかったのでよかった。
車内はいすみ300型(クロスシート・トイレ付) 、車体はいすみ350型、塗装は国鉄キハ20系一般色という組合せの車両だ。


キハ20(大多喜)

キハ20は6両のいすみ200型を5両の新車に置き換える流れの最後の1両。
ホンモノの国鉄型であるキハ52+キハ28は観光面から毎日走らせたいところだが、車齢が高いことから無理はさせられず、それを補って「毎日キハが走る」路線にするために5両目の新車をこのスタイルにしたんだそうだ。



キハ20(大多喜)

国鉄そのものの表記類。
所属する両運転台・2エンジンのキハ52に対してこの車両は1エンジン…となると、キハ52も含まれる「国鉄キハ20系」のルールに倣ってキハ20となり、クロスシート・トイレ付であることからいすみ302の続番の303、ただしキハ20 303は過去に実在したことから、1000番台にして重複を避けた…こうしてキハ20 1303という車号に決まったそうだ。

大多喜駅構内に入り、ホンモノの国鉄形を撮る。





キハ28(大多喜)

上りホーム裏の留置線にはキハ52+キハ28がいる。キハ28は普通列車運用時の方向幕を出していた。




キハ28(大多喜)

塗装はキレイな状態。私はこちら側のホームに入ったのは初めてだ。


(大多喜)

リトル・ミィの記念撮影ボード。駅名はネーミングライツにより「デンタルサポート大多喜駅」と案内されているが、市販の地図や時刻表では従来通り「大多喜駅」と書いてあるものばかりだ。




キハ52(大多喜)

キハ52は昨年3月に首都圏色へ変更された。その姿を初めて撮れた。




キハ52(大多喜)

イマイチ撮りづらい場所に留置されていて、顔を撮ろうとしてもこんな感じに。


いすみ300型(大多喜)

ホームの端の方まで行って、いすみ302のサイドビューを記録。


キハ20(大多喜)

ホンモノのキハ20系であるキハ52と比べると、若干車体の角Rが小さいようにも見える。



いすみ300型・キハ20(大多喜)

キハ20の手前の線路にはもう1両のいすみ300型・いすみ301がいる。
どうやら、この時間に走っている車両はいすみ350型2両ということのようだ。



いすみ300型(大多喜)

真ん中の大きな窓2枚はそれぞれ桟によって田の字になっている。

再び駅の外に出て、もう少し観察。


いすみ200'型(大多喜)

いすみ100型→いすみ200型→いすみ200'型と形式を変えながら、開業以来車籍を残すレールバス最後の1両。
出番がないが検査期限は訪れておらず、現役車両であることには間違いないようだ。




キハ20(大多喜)

ヘッドライトパーツはいすみ352と同じ。こうして切り取ってみると、色合い的にウルトラマンチックだ。
このキハ20はスタイルこそ国鉄形に寄せているが、キハ52やキハ28と組んで走らせることはできないとのこと。システムも違いすぎるし、総括制御ができないということだろう。

上総中野方の踏切に回って、「いつものアングル」で撮影。過去2回と比べてみよう。


(2011.5.27)


(2013.7.21)


(今回)

2011年の写真は当時所属の全車両が1枚に収まっている。いすみ200'型は数を減らし、今回の撮影では庫内に引きこもっているためついに写らなくなってしまった。


キハ52(大多喜)

同じく踏切から。キハ52をズームで撮って、大多喜駅での観察終了。


いすみ351を追う

車に戻り、持参の東京時刻表を見ると、もうしばらくすると下り列車が来るようだ。
となりの城見ヶ丘駅先にある踏切で待ち伏せしようと向かったが、踏切の道路に出たときには踏切が鳴いていて、ほどなく列車が現れた。



いすみ350型(城見ヶ丘—大多喜)

列車が駅に停まっているうちにホームのちょっと先の位置まで行き撮影。いすみ351だ。日当たりバッチリ。


いすみ350型(城見ヶ丘—大多喜)

い鉄社長こだわりのいすみ350型。
この車体と塗色の組み合わせは「国鉄を引き継いだ路線で、車両も引き継いで独自の塗装に塗り替えた」という設定だそう。開業時の阿武隈急行や、弘南鉄道黒石線などがそれにあたるだろう。

大多喜での停車時間などを考えると先回りでもう一度撮れそうなので、一旦来た道を引き返す。
大多喜を出た列車は踏切を渡ってカーブすると夷隅川の橋梁を渡る。その先の踏切近くで待つ。



いすみ350型(大多喜—小谷松)

1枚目は橋梁を走行中。2枚目は沿線に点在する柿の木が収まってくれた。



いすみ350型(大多喜—小谷松)

手前に引きつけてもう1枚、振り返ってもう1枚。逆光で真っ暗の森の中に消えていった。(つづく)

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

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