2009/09/01

京成 3300形いろいろ

青電・赤電がリバイバル登場した京成3300形は、元々は赤電で登場した形式。

製造された54両のうち、1次車16両は3200形両開きドア車と変わらない車体だったが、3317以降の2次車は側面と先頭車正面に方向・種別がまとめられた表示幕が京成で初めてつけられた。


冷改

赤電各形式は更新もしくは再更新と同時に冷房・表示幕取付が行われたが、3300形は冷房化を単独で先に行い、車齢が若いことから更新工事は行われなかった。


3300形(東中山・1989)

冷房がついたが未更新という時期の写真。3300形の冷房改造は2次車から着手された。
登場時は赤電色・白地表示幕だったが、のちファイアーオレンジに塗色変更され幕も青地になった。表字幕で種別を表記できるが、3500形同様特急・急行運転時は貫通扉の種別板挿しを使っていた。
写真の3356は現在リバイバル青電として活躍中。


3050顔?


3300形(海神—京成船橋・1989)

こちらは初代3050・3100形更新車のような扉をつけた特異な状態の3316。
1次車も2次車に続いて冷房改造のみ行われたため表字幕なしの冷房車となっていたが、のちに表字幕取付工事が行われた。正面は3200形などの更新車と同様に上部に行先のみ表示する形となり、新製されたこの種別幕つき貫通扉がつけられた。しかし、のちの更新の際に3200形と同系の扉に再び交換されることとなり、この扉は初代3050形の更新用に回された。


最後の未更新赤電


3300形(江戸川・1991.12.23)

未更新車は側窓が非ユニット窓で、下段に保護棒が外付けされているのが特徴。
現在の3500形未更新車もそうだが、表示幕は行先部分が狭く、四文字にもなるとだいぶ読みにくくなる。また「普通」の文字もわざわざ罫線で囲ってあってムダに小さくまとまっている。特急や急行の文字には囲みはないが、赤字で細くやはり読み取りにくい。
写真の3332はユニットを組む3331とともに更新対象赤電の中でも最後まで未更新で残っていた車両。
年明けの1992(平成4)年4月に更新を終えて出場したが、2007(平成19)年に3300形で最初の老朽廃車になったそうだ。


更新


3300形(京成高砂・1992.3)

更新を受けた3300形。
3200形ではHゴム支持だった正面貫通扉の窓と種別窓は金属押さえとなり、3200形との区別ポイントとなった。
写真の3324は現在リバイバル赤電として活躍中。
京成車の千葉ニュータウン中央幕は千葉中央との識別のためか「ニュータウン」が大きく、「千葉」と「中央」は米粒になっているのが特徴だが、現在京成車の千葉ニュータウン中央行定期列車はない。



3300形・都営5300形(京急川崎・1992.4)

これはレア写真。列車は京急川崎止まりで、折り返し千葉ニュータウン行(こちらの記事のと同じ)となるため引き上げ線に入る前になぜかこの「羽田空港口」の幕が出された。京急空港線の羽田開業を控えた頃のもの。
羽田駅は旧羽田空港駅を海老取川を空港側へ渡った先の地下に移転したもので、空港ターミナル直下に設けた現在の羽田空港駅へのさらなる延伸により、羽田駅は天空橋駅と改称された。
この羽田駅の仮称が「羽田空港口」で、何かのついでに京成車の幕に刻まれていた模様。


クロスシート試験




3300形クロスシート試験車(市川真間ほか・1992.5.3)

3300形の変身で特筆されるのがこの車両。3316F4連は1990(平成2)年にクロスシート試験車となった。
各車両でレイアウトを替えたクロス・セミクロスシートを配置。写真の3316は扉間片側2ボックスずつ、計8つの4人がけボックスが配置されているガッツリタイプ。
他の車両ではJRの地方路線にあるようなボックスとロングの千鳥配置のものなどがあったが、自分が3316のレイアウトが好きでこの編成に出会うと3316ばかり乗っていたためか、あまり他の車両のことを憶えていない。

車体の戸袋部分には「クロスシート試験車」の文字の入った円形の小さいステッカーが貼られていた。
それそのものは撮っていないのだが、上の車両写真を見ると、最前位の客用扉の手前の戸袋に白いものが貼ってあるのがわかる。


現行色へ


現行塗色になった3316F(江戸川・1995.4)

3316Fはファイアーオレンジがかなり色あせた状態になるまでクロスシートを保ったが、結局ロングシートに戻されて塗色も現行のグレーになった。
ロングシートは従来のものではなくバケットシートが試用され、試験車としての立場は継続。
この写真はその出場から間もないころ(こちらの記事のと同じ)で、台車の緑系グレーが際立っている。

この記事上から2枚目の初代3050形タイプ貫通扉の車両もこの3316F。3300形の写真はそうたくさん撮ってないが、成長を見守るようにこの4連を偶然よく押さえている。

現在、3316Fは北総にリースされて7260形8連の一端を担っている。3300形の中でも激動の4連だ。
早いうちに記録しておかないといけないかもしれないな。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

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