2024年4月に入り、2016年夏までの古い記事の画像リンクが切れました。
対応は現アルバム経由での再貼付しかなく、徐々に進めています。
前後の記事が直ってないのに、ポツンと直っている記事もあります。
完全復旧までには相当の期間がかかる見込みです。

2010/04/16

京王 なつかし写真・4

京王なつかしのラストは井の頭(いのかしら)線。

京王井の頭線は渋谷と吉祥寺を結ぶ路線で、京王線系統とは生い立ちが異なり、軌間は1067mmの狭軌(京王線系統は1372mmの偏軌)。
京王線とは明大前で連絡・立体交差しているが、もちろん線路はつながっていない。


3000系

グリーン車ばかりだった京王帝都電鉄(現・京王電鉄)に1962(昭和37)年に現れた初のステンレスカー。
アメリカのパッド社が関わっているため、オールステンレス構造の車体、ディスクブレーキが目立つパイオニア形台車、ベンチレーターの形状などが東急7000系と共通していた。
顔は2枚窓の湘南顔で、グリーン車のイメージを引き継いでいる。ただしその上半分はレインボーカラーと呼ばれる編成毎に異なる7色のFRPマスクをつけていて、3000系最大の特徴になっている。

写真はすべて1993年3月8日夕方の高井戸でのもの。カラー別に載せていこう。
なおマスクの色は編成の番号順で7色がローテーションになっている。

ブルーグリーン


3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第1・8・15・22・29編成はブルーグリーン。一発目の色としてはなんともファジィなオサレカラーだ。3000系は29本が造られたため、ほかの6色は4本ずつ、この色のみ5本存在した。
3000系は当初4連で登場。さらに第1・2編成は裾絞りなし&片開きドアとよりグリーン車に近く、5連化の際に挿入した中間車は第3編成以降のスタイルのため1両だけ目立ってしまっていた。東急5200系セミステンレスカーに似た境遇(4連に鋼製5000系を1両挿入して5連にした)だが、ステンレスで統一しているところはこちらのほうがマトモか。

写真の第15編成は第14編成とともに1969(昭和44)年に登場した3000系初の新製冷房車。また4連での製造としては最後のグループ。
冷房装置はチロルチョコのような分散形が6台。5連化用に後から加わった1両のみ集中形が搭載されている。
また制御装置はこの編成まで抵抗制御で登場したが、第10編成〜この第15編成は界磁チョッパに更新された。

アイボリーホワイト


3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第2・9・16・23編成はアイボリーホワイト。2番目は早くも白。どういう基準で色が選定されたんだろうか?
1枚目は番号が読みづらいが第16編成。初めて5連で新製され、制御装置も界磁チョッパ制御となったグループ。冷房装置は先頭車が分散4台、中間車が集中形。
2枚目は第23編成。第20編成から車体が軽量構造になり、側面窓下のコルゲートが1本減っている。
もともと側面の帯はなかった3000系だが、後から追加された。第20編成以降は窓下の平らな部分が多いためそこに帯が入っているが、それ以前の車両はコルゲート上辺に帯が入った。

サーモンピンク


3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第3・10・17・24編成はサーモンピンク。カラフル感が出始めた。第3編成は1963(昭和38)年の登場で、この頃にこれだけのピンクを用いた車両は国内にはなかったんではないだろうか?
1枚目は第3編成。両開きドア・裾絞りで最初に登場した編成だ。戸袋窓の白Hゴムが健在。
2枚目は第10編成。ともに非冷房4連で登場し、中間車1両の挿入・冷改(先頭車分散4台、中間車集中)が施されている。

ライトグリーン




3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第4・11・18・25編成はライトグリーン。にぎやかになってきましたよ。
1・2枚目は第4編成。この当時各停は種別表示をしていなかったが、のちに急行と同じ形の黒地の各停マークが追加された。
3・4枚目は第11編成。それぞれこの駅で撮ってる間に渋谷から戻ってきてしまったようだ。

バイオレット

3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第5・12・19・26編成はバイオレット。ファンシーな色が続いた。
写真はこの色で1枚だけ撮れた第5編成。3・4・5と若番編成を押さえているが、肝心の第1・2編成には会えなかった。この頃はすでに平日朝のみしか動いていなかったようだ。

ベージュ

3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第6・13・20・27編成はベージュ。…なんで急にベージュなんだろうか? 実物はとにかく微妙な色合いだ。
こちらも1枚しかなく、第27編成。軽量車体なので側面帯は平らな部分に入っている。なお、軽量車体グループの冷房装置は全車集中形で登場している。
日も暮れかけ、このベージュはなおさら色がわかりづらい。

ライトブルー





3000系(高井戸・1993.3.8)(f)

第7・14・21・28編成はライトブルー。ブルーグリーンより青味が濃い。7色の中に黄色に近いカラーは出ずじまいだった。
5枚のうち4枚は第7編成。ここの写真の中ではこの渋谷行の後ろがいちばんキレイに撮れたようだ。
渋谷から戻ってきた電車は車庫のある富士見ヶ丘止まりの列車。かつて縦書きだった方向幕だが、横書きになってきつい長体(ちょうたい。文字の横幅のみを狭くすること)がかかっている。なにしろ「吉祥寺」ですらやや長体なのだ。
5枚目は第14編成。前述の第15編成とともに初の新製冷房&4連新製ラストのグループ。


1000系導入と3000系の第二の人生

井の頭線には1996(平成8)年から2代目1000系の投入が始まった。井の頭線初の20m・4ドア車で、収容力が増加した。
3000系も一部の編成はリニューアル工事を受け、1000系に似たパノラミックウィンドウの顔に変身した。カラーマスクの色は変わっていないが、マスク自体はFRPから鋼製に変わっている。
またリニューアルされていない編成も含めてシングルアームパンタ化、スカート取付、正面のコーポレートマーク貼付などが行われ、全体的にイメージが変わった。

1000系の増備により3000系は次々と去り、現在は1987(昭和62)年に製造された最終増備の第28(ライトブルー)・29(ブルーグリーン)編成の2本のみとなった。これらも今年度中の社内全車VVVF化のため引退が近づいている。

狭軌で中型車でメンテナンスの楽なオールステンレスカーとあって、地方鉄道からは引く手あまた。北鉄、上毛、岳南、松本、伊予鉄で、いろいろなスタイルに化けて活躍を続けている。
北陸鉄道では片開きドアの2本が健在(先頭車のみの2連)。
上毛電鉄では当初マスクはすべてフィヨルドグリーンだったが、現在は2連8本がすべて違う色(1本はフィヨルドグリーンのまま)のマスクになり、オリジナルの井の頭線より1色バリエーションが増えている(すべて井の頭線時代にはない色)。
いまや撮り鉄のコンプリート欲をくすぐる路線になった。
昨年から導入が始まった伊予鉄道ではリニューアル工事を受けた3000系のうち軽量車体のものを譲り受け、VVVF化して走らせている。現在井の頭線に残る2本も譲渡が決まっている。

ちなみに1000系もレインボーカラーを同じ色・法則で引き継いだが、ベージュに関しては1027Fからオレンジベージュに変更されている。既存の1013Fはついこないだベージュからオレンジベージュに衣替えし、ベージュは1006Fが唯一の存在となった。
3000系の2本とともに、ベージュ編成もいまが撮り時か?

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

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