2010/04/14

京王 なつかし写真・1

前記事の予告通り、京王のなつかし写真を紹介。


5000系

緑の電車(「グリーン車」と呼ばれてたそう)ばかりだった京王線用に1963(昭和38)年から製造されたのが5000系。
アイボリーにエンジ色の明るい車体は地味な京王のイメージを変える意図もあったそうだ。そのカラーリングは6000・7000系に受け継がれ、アイボリーは8000・9000系も用いている。グリーン車も同じ塗色に塗り替えられたこともあった。


5000系(代田橋・1991.4.3)(f)

パノラミックウィンドウと裾絞りの車体断面が女性的な優雅なイメージを醸し出す。山の手の私鉄らしい。
扉間の窓の意匠も揃っていて、美しい車両だ。
車長18mの中型車で、片開き3ドア。20m4ドアだったらもうちょっと京王に長く居られたかもしれない。
写真の列車は八王子方が角形集中クーラーの3連、新宿方が非冷房の4連という7両編成。


5000系(明大前—下高井戸・1991.4.3)(f)

この頃は各停専用になっていた5000系、1990(平成2)年開業の相模原線の終点・橋本にも新宿からの各停で顔を出した。
運転台側のサボ受けは優等列車充当時に種別板が挿された。方向幕よりスペースが広く使えそうだ。


5000系(明大前—下高井戸・1991.4.3)(f)

同じ新宿を起点とする小田急の車両たちもそうだが、かつてのサボをそのまま幕にしたような位置どりの、貫通扉下部の方向幕も特徴。井の頭線3000系も一緒だ。その窓は小さく、視認性はよくない。
写真は新宿方4連が両先頭車は分散4台、中間車は角形集中クーラー。八王子方3連も角形集中という7両編成。



5000系(下高井戸・1991.4.3)(f)

下高井戸駅の新宿方にはホーム終端すぐに踏切があり、こんな写真を撮ることができた。…今も変わってないかな?
細かい分散クーラーが1両に5(パンタ付車両)・6台並ぶ4+3の7連。新製から冷房車として登場したロットのようだ。



5000系(桜上水・1991.4.3)(f)

桜上水の電留線にたたずむ。非冷房車も含め屋根上の姿がバラエティ豊かなのも特徴。「桜上水」の幕は左右が青。
5000系は6000系より帯が細く、先端の処理も曲線で仕上げている。この帯の先端は6000系の初期車も同じように仕上げられたが、直線的なデザインの車体に合わないということで取りやめになった。現在6416F2連がそのスタイルに復刻されている。
また5000系の初期車登場時は「ねこひげ」と呼ばれる、乗務員室扉から後方斜め下に先細りでのびる帯があった。
1枚目は踏切から、2枚目はホームから撮影。



5000系(桜上水—上北沢・1991.4.3)(f)

新宿方4連はクーラーキセ脇にベンチレーターがズラリと並ぶタイプ。5018Fは新製冷房車第一弾の編成で、同時に関東の私鉄一般形車両でも初冷房車だそうだ。


5000系(桜上水—上北沢・1991.4.3)(f)

「京王八王子」の幕は八の字を意識したような塗り分け。線香の『青雲』のパッケージのようだ。
当時の5000系のパノラミックウィンドウのHゴムは劣化のせいかピンク色になっていたのが印象的。


5000系(上北沢・1991.4.3)(f)

写真の5125F(八王子方3連)は5000系最終ロット(1969(昭和44)年8月製)。
1995(平成7)年に事業用車に転向し、チキ2両を挟んだ貨物電車として保線作業やレール運搬に用いられ、2004(平成16)年に6000系改造の後継車が登場するまで在籍した。


5000系(高幡不動・1991.4.3)(f)

ライオン柄の「多摩動物公園」の幕を出した非冷房の5005F。非冷房車のベンチレーターは井の頭線3000系や東急7000系などと似た形をしている。
いつの時代も動物園線は姥捨て山的で、引退の近い車両の働き場になっているようだ。



5000系(多摩動物公園・1991.4.3)(f)

「高幡不動」の幕は四隅に青。
この列車は5005F+5006F両4連の非冷房8両編成。5000系は5007F+5077Fから車体幅が拡がり、それ以前の若番車は幅が狭いぶんドアのステップが大きくせり出している。貫通扉の窓も若干横幅が狭いように見える。
これら狭幅車は非冷房のまま写真の翌年2月までに廃車になった。





5000系(柴崎・1993.3.8)(f)

こちらは1993(平成5)年の柴崎での写真。今よりホーム上屋が短いのかな?
「高尾山口」の幕は山の形の中に鳥などが描かれたものだ。


5000系は1996(平成8)年限りで京王の営業運転から引退。
18mで冷房車ということで地方鉄道に人気で、富士急、伊予鉄、一畑、琴電、わ鐵などに譲渡。京王線は1372mmの偏軌のため台車は他社車両の発生品と振り替えたり、改造の上使用されている。
車両によっては2ドア化やクロスシート化のほか、わ鐵ではトロッコ車両に、富士急では水戸岡鋭治プロデュースの「富士登山電車」に再変身したりと大いに活躍している。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

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